高速ガス分析計500シリーズ

高速ガス分析計500シリーズ

高速CO,CO2計NDIR500

Cambustionの高速ガス分析計500シリーズは,FID(THC),CLD(NOx),およびNDIR(CO/CO2)を用いた製品がラインナップされ,ガソリン,ディーゼル,および代替燃料エンジン等のアプリケーションで幅広く世界中で採用されています.
エンジンのサンプリングポイント近くに設置できるよう, 検出器は小型, リモート化された設計となっており,この構造が「ミリ秒」の応答性を実現し,エンジン毎サイクルのエミッション変動を計測可能にします.筒内からのサンプリングも含め,脈動圧条件下でも計測を可能にする, 定圧・高温に制御されたサンプリングシステムを備えています.
オペレーター付きレンタルも可能です.詳細はお問い合わせください.

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アプリケーション

エンジン始動時の燃焼状態の把握

エンジン始動時は,エミッション物質の多くを浄化出来ずに大気へ放出してしまうため,各気筒の燃焼や排気工程毎の状態を把握することが望まれます.
THC計HFR500は,過渡時の部分燃焼や排気バルブからのリーク等の識別に有用であり,CO, CO2計NDIR500は, COとCO2濃度と空燃比の関係から導かれる燃焼λを超高速で計測することができます.

ダイレクト筒内計測

オフセット型の点火プラグを用いた筒内サンプリングは,点火前の電極近傍のHC濃度を計測することで,適正量の燃料が供給されていることを把握することができます.また,残留燃焼ガス成分の計測はVVTのキャリブレーションや過渡運転時のエンジンパラメータ,気筒休止,および周期変動等の問題を解決するために役立ちます.

その他に
触媒や排ガス後処理システムの評価
燃焼改善に向けたサイクル変動の把握
EGRシステムの開発と制御
など多くのアプリケーションで活用されています.

HCのダイレクト筒内計測

特長

驚速の応答性

従来の据え置き型分析計の応答性が1~2秒程度であるのに対して,高速ガス分析計500シリーズは「ミリ秒」の応答性を有します.

NOx計CLD500(青線)は,従来のNOx計(赤線)と比較してトルク(緑線)の変化に追従したエンジンアウトの瞬間的なNOx排出挙動を捉えることができます.

高速NOx計CLD500と従来型NOx計の応答性比較
CLD500と従来のNOx計の応答性比較(クリックで拡大)

HC計HFR500を使用すると,わずか30msに満たない排気行程期間の排気ポートにおけるHC濃度の変化が詳細に計測できます.

高速THC分析計HFR500による排気ポート近傍のTHC計測
排気行程中の排気ポートにおけるHC濃度の計測(クリックで拡大)
筒内ダイレクトサンプリング

オプションのサンプリングスパークプラグ(SSP)を使用すると,エンジン回転数1500rpm以下の条件で筒内のガスを直接サンプリングすることができます.

筒内のHC濃度(赤線)は火炎が到達(クランク角度0度付近)すると,急速に減少している様子がわかります.

高速THC分析計HFR500によるエンジン筒内直接サンプリング
HCの筒内ダイレクトサンプリング(クリックで拡大)
2チャンネル計測

高速ガス分析計500シリーズは,同一成分を同時に2か所で計測可能な2チャンネル構成です.触媒や排気後処理装置の上下流で計測を行うことで浄化状態や吹き抜けの把握が容易にできます.

図の中央1080秒付近では,テールパイプNO(赤線)値がエンジンアウトNO(緑線)値に近くなっており,大半のNOが触媒を通過していることがわかります.

高速NOx分析計CLD500による触媒前後のNOx計測
3元触媒前後(エンジンアウトとテールパイプ)のNOx計測(クリックで拡大)

付属品

インラインフィルタ

インラインフィルタは、応答性に過度な影響を与えることなく、サンプルガス中に含まれるすす(Soot)を除去します。
すす濃度が高い計測時のメンテナンス軽減とドリフト低減に効果があります.

高速ガス分析計用インラインフィルタ
インラインフィルタ

オプション

サンプリングスパークプラグ (SSP)

サンプリングスパークプラグは、筒内圧計測に用いられるものと同様のオフセットスパークプラグです.
プラグ電極から数ミリメートル以内のガスをサンプリングできます

エンジン筒内直接サンプリング用スパークプラグ
サンプリングスパークプラグ (SSP)

仕様

製品名HFR500CLD500NDIR500
計測成分THC(全炭化水素)NO, NOx
(NOxはコンバータを使用)
CO, CO2
計測原理水素炎イオン化検出法 (FID)化学発光法 (CLD)非分散型赤外線吸収法 (NDIR)
チャンネル数222
計測レンジ0-2,000ppm C1 から
0-1,000,000 ppm C1まで8レンジ
0-100ppmから
0-5,000ppmまで8レンジ
(0-10,000ppmはオプション)
0-5%, 0-10%, 0-15%, 0-20%
応答性(最速) T90-10%
(プローブ長に依存)
0.9ms2ms
(NO2コンバータ使用時8ms)
8ms
サンプル流量
(1チャンネルあたり,バイパス吸引含む)
6L/min6L/min
4L/min(NO2コンバータ使用時)
6L/min
電源50/60 Hz 100-240 VAC50/60 Hz 100-240 VAC50/60 Hz 100-240 VAC
最大消費電力1.7kVA2.6kVA1.7kVA
必要ガス燃料 40%H2/HeまたはH2/N2
HCスパンガス
助燃エアー
N2ガス
NO(NO2)スパンガス
N2ガス
CO, CO2のHighスパンガス
CO, CO2のLowスパンガス
N2ガス
キャビネット寸法,重量高さ1140×幅550×奥行780mm,125kg高さ1140×幅550×奥行780mm,150kg高さ1140×幅550×奥行780mm,125kg
使用環境5~40℃(0℃以下はオプション)5~40℃(0℃以下はオプション)5~40℃(0℃以下はオプション)
検出器ケーブル長10m (変更オプションあり)10m (変更オプションあり)10m (変更オプションあり)
外部インターフェース0-10Vアナログ出力
AKリモートコントロール(オプション)
0-10Vアナログ出力
AKリモートコントロール(オプション)
0-10Vアナログ出力
AKリモートコントロール(オプション)

仕様の詳細はカタログをご覧ください。製品の仕様は予告なく変更になる場合があります。

ダウンロード

カタログ高速ガス分析計500シリーズ日本語PDF (2.2MB)
カタログサンプリングスパークプラグ英語PDF (9.9MB)