高速微粒子分析計 DMS500 Mk2

DMS500は、世界初のナノ粒子用リアルタイム微粒子粒度分布（粒子径と粒子数の分布）計です。2002年に発売されてから、世界中の研究機関、大学、および自動車メーカで使用されてきました。
2008年には、DPF下流、GDIなど、より難易度の高いエンジン試験に対応させるため、高感度化、希釈率範囲の拡大などの改良が反映されたDMS500 Mk2が発売されました。

DMS500 Mk2は、Cambustionの受託試験部門における長年のエンジン試験経験と最新の粒子計測技術を反映させ、エンジン試験に最適化された設計になっています。これらの改善により、粒子の専門家でなくてもDMSを使えるようになりました。付属するデータ処理ツールにより、取り扱いの難しい微粒子粒度分布のデータ解析を簡単に実施できます。
オペレーター付きレンタルも可能です．詳細はお問い合わせください．

微粒子フィルタ（GPF・DPF）の試験

DMS500の直接サンプリングシステムは、DPF・GPF上下流の試験に適しています。リアルタイムでデータが出力されるので、経過時間に対するフィルタ効率の変化を観察できます。

ガソリン直噴・ディーゼルエンジンの適合試験

DMS500は、応答性の遅いPMP対応PN計が計測できない、過渡時や冷間始動時の瞬間的な挙動を計測できるので、様々な運転条件に応じた適合試験に使用できます。

最速の応答性

DMS500の応答性(T10–90%)は、通常で200ms以内、5mの加熱サンプルライン接続時でも300msです。最速10Hzでデータを出力します．

DMS500（赤線）は，PMP対応PN計（青線）と比較して空燃比（緑線）の変化に追従した瞬間的なPN排出挙動を捉えることができます．

希釈システム

DMS500は、排気ガスを直接計測できる2段階の希釈システムを内蔵しています。サンプルした直後に1次希釈を実施し、凝縮、および凝集を防ぎます。2次希釈をし、高濃度の計測もできます。希釈器は、パソコンにインストールされた専用ソフトウェアで制御します。計測された粒子濃度は、自動で希釈率を補正し記録されます。

リアルタイムデータ出力

DMS500では、フィルタ重量法と相関がある粒子の質量、およびユーロ6と相関がある粒子数を計算するために、ソフトウェアが核生成モード（揮発性）粒子と凝集モード（個体）粒子を分離します。
ディーゼルエンジンの計測例(右下図)では、赤色の線で全体の粒度分布を、黄色の線で核生成モード粒子を、緑色の線で凝集モード粒子を示しています。 計測中に保存されたデータファイルの中に、各モードの粒子の情報(粒径、粒子数、重量法に相関のある質量)が自動的に記録されます。これらは、アナログ(0～10V)でも出力できます。

Catalytic Stripper (CS)を使用すると揮発性粒子を取り除くことができます．

Dual Sampling Accessory (DSA)を使用すると1台のDMS500で2か所(DPFの上流・下流など)の計測ができます。